全国で、例年200件近く発生する死亡ひき逃げ事件。遺体には、犯人逮捕につながる「見えない証拠」が残されています。解剖することなく、その証拠を見つける新しい装置。運用が始まったばかりの現場に密着しました。
先月16日、千葉県内の路上で起きたひき逃げ事件。横倒しになった原付バイクに乗っていた男性(41)は死亡、大破した乗用車に乗っていた容疑者は逃走しました。このひき逃げ事件で、「ある装置」が初めて導入されました。
数時間後、警察署の霊安室前。その装置が組み立てられていました。アームの先に特殊なカメラがついたこの装置で、何を行うのでしょうか?霊安室内には男性(41)の遺体がありました。捜査員は、特殊なカメラで遺体を撮影していました。
(Q.何が見えるのですか)
「線、たぶんこういう硬い棒がが当たった」
(Q.表面では)
「表面では見えない」(捜査員)
これは遺体の右足です。ふくらはぎの辺りに黒い線が見えます。乗用車と衝突した際にできたとみられる、「皮下出血」と呼ばれる跡です。肉眼では一見して分からない跡だが、事件の貴重な手がかりとなります。交通事故では、車が人に衝突すると、さまざまな跡が残ります。中でも、皮膚の表面からおよそ8ミリの深さで起こる出血、これが皮下出血です。
肉眼では見えなくとも、衝突の跡は意外なほど、はっきりと残ります。これは自転車に乗っていて乗用車と衝突し、死亡した男性の左足です。装置を使うと、自転車のペダルの形が浮かびました。皮下出血の跡です。
これによって、事故が起きた際の状況がより鮮明に分かります。さらにひき逃げ事件であれば、車のヘッドライトなどの形が残り、逃げた車の特定につながるというのです。
去年7月、千葉県警の交通鑑識課では、装置の実用化に向けた実験が繰り返されていました。捜査員の腕にあてているのは、特殊な赤外線。すると、画面には静脈が浮かび上がってきました。この赤外線を使って特殊なカメラで撮影すると、皮膚の表面からは見えない血管や内出血の状況が分かるというのです。
「必ず被害者には車の痕跡が残りますので、まったく別の場所に、考えられないところから皮下出血の存在があったとします。そうすると一歩ひいて、別の視点から死体捜査を進めていかなければならない」(千葉県警交通捜査課 萩原喜也課長代理)
これまで皮下出血は、事件発生から数日後に解剖が行われるまで分かりませんでした。それが、事件発生から数時間で分かるようになるのです。
そして元日、新たな事件が発生しました。男性(29)が死亡したひき逃げ事件。ここでも装置が使われ、即座に皮下出血が確認されました。その跡から、男性はしゃがんだ状態で乗用車にはねられた可能性が浮上しました。もし解剖を待っていたら、その結果は3日後まで出ませんでした。さらに、解剖を行う法医学の専門家はこんな効果も指摘します。
「殺人事件だったら、首絞めのひもとか、手で絞めた跡が、今までよりもはっきり見えるかもしれない。殺人とか交通事故の見逃しが減っていくことは期待できる」(千葉大学大学院 法医学教室・岩瀬博太郎教授)装置の運用はまだ始まったばかり。これからも改良を加えていくといいます。(04日17:51)http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4323339.html
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危ないデカさん
新聞社カメラマン14年、記者21年。記者は警視庁捜査1、3課担当、定年前8年間は警察庁を担当した。正義感だけはめっぽう強く、それでいて涙もろい。ドラマや映画を見て良く泣きます。
著書に「落としの金七事件簿」(産経新聞出版)
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